「良い結婚式」を作るには?
2021.08.31
(宿泊サイトのブログ「ホスピタリティには「心」がある」と同じ文献をもとにしています。)
わたしは、メソンのオーナーをしていますが、今年の2月にメソンで自身の結婚式を挙げました。
最後に、ゲストの方をお見送りしていると、多くの方に「良い結婚式だった!」と言っていただきました。
純粋に嬉しかったものの、それ以降「良い結婚式」とは何かと考え続けていました。
結婚式を作るお手伝いをする立場としては、これからも新郎新婦のお二人にも、ゲストにも「良い結婚式だった」と言っていただけるお式を作り続けたいと思うからです。
そんな時に、「ホテル・リッツにみるホスピタリティ序論―ホスピタリティとサービスの関連について―」という短い論文を読みました。
そこでは、「サービス」と「ホスピタリティ」の違いについて述べられています。
「サービス」は「サーバント=召使い」と同じ語源を持ち、一方、「ホスピタリティ」は「ホスト=主人」と同じ語源を持つそうです。
以下は本文の引用です。
「サービスの基本的な意味は、奴隷または召使としてマスターに仕えることであり、ホ スピタリティの基本的な意味は、
ホストとしてゲストを温かくもてなすことである。
言うまでもなく、温かくもてなすためには、温かいもてなしの心がなければいけない。
すなわち、ホスピタリティは心の状態を前提としているのである。」
もともと、接客をする際の参考に、ということで読んだ論文でしたが、この論文を読んで、「良い結婚式」の答えは「新郎新婦に「ホスピタリティ」があるかどうか」なのかもしれないと、気が付きました。
言い換えれば、温かいもてなしの「心」を軸にあらゆる選択をしていくことが、結婚式を作るに当たって必要になってくるのではないかということです。
確かに、私が式の準備をするとき、思い浮かべていたのはいつもゲストの方のお顔でした。
具体的には、「この人と結婚するなら大丈夫」とゲストの方に安心してもらいたい、というのが一番初めのイメージでした。
そのイメージから、「お互いの結婚相手のことを知ってもらう」というテーマを作り、ゲストに楽しんでもらいながらテーマを達成するには、どんなことが出来るだろうかと考えていったという流れでした。
「もてなしの心」がどのように表現されるかは、本当にそれぞれだと思いますが、
私にとっては、「安心してもらいたい」ということが、それに当たるものだったのかなと思います。
メソンでは、はじめてのお客様が見学に来られた時、必ずお伝えしていることの一つに以下のような内容があります。
「私たちは新郎新婦が当日の「主役」とは考えていません。お二人は、その日来ていただく大切な人をどのようにおもてなしするかを考える「主催者」だと捉えています。」
今考えると、この表現はまさに新郎新婦がゲストをおもてなしする心、「ホスピタリティ」の定義そのものだったのです。
パーティーのホスト、主催者としての意識を忘れずに当日を迎えることが出来たなら、おのずと「良い結婚式」は作り上げられるのではないか、と私は思います。
ぜひ、私たちにそのお手伝いをさせてください。
2001年、土 居 守「ホテル・リッツにみるホスピタリティ序論―ホスピタリティとサービスの関連について―」http://jslrs.jp/journal/pdf/45-1.pdf